早大元教職員への企業年金、減額は違法 <<東京地裁で・全面勝利判決(1/26) >>
受給者側の全面勝訴―早稲田大学年金訴訟
受給者の同意なく35%の年金減額を実施した早稲田大学を相手取って同大学の退職教員ら155人が提訴した受給権確認裁判は2007年1月26日東京地裁で原告(受給者側)完全勝利の判決が言い渡された。
東京地裁622号法廷は満員で補助席も出されたがそれでも入りきれない傍聴者は廊下で待機した。定刻13時15分入廷した端二三彦裁判長はただちに判決主文を朗読、「原告らは定められた年金を受給する地位にあることを確認する。裁判費用は被告(早大)が支払え」と言い渡した。
つづいて裁判所は被告(早大)が主張していた@年金支給の義務は年金基金(法人格なき法人)にあり大学にはないA大学の経営は重い年金負担のため破綻必至などをことごとく否定し、@支給義務は年金契約をした大学にありA早稲田大学は格付け機関によってAA+にランクされており経営状況は極めて良好で年金を減額しなければならない状況にはないと断じた。
判決を受けて「早大年金裁判の会」(杉山晴康代表)は「ひとまず安堵した。早大年金削減問題の基底には大学を『学校産業の場』とする考えが大学理事者内に発生していることがある。この考えが創立以来125年にわたり培ってきた研究・教育の伝統や倫理を無視し、早稲田大学の栄光をいちじるしく毀損した。大学当局は判決に従い速やかに年金減額を中止すべきである」と声明をだした。
敗訴した早大側が高裁に控訴するかどうかは判決後2週間(2月9日)以内にわかるが、大学側弁護士が受給者側弁護士に「勝利判決おめでとう。これから長くなりますね」と発言しているので控訴の可能性が高い。(椋尾尚司)
退職教職員らの年金減額、早大側が敗訴…東京地裁 (読売)
年金支給額が不当に減らされたとして、早稲田大学などを退職した教職員と遺族約160人が、大学を運営する「学校法人早稲田大学」を相手取り、年金を減額しないよう求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。
端二三彦裁判長は「減額前の支給額を支払い続けるのが難しいとは言えない」と述べ、全員について減額を認めないとする早稲田側敗訴の判決を言い渡した。
問題となったのは、同大の教職員らが加入する私的年金。判決によると、同大は2004年11月に年金規則を改定、同年度中に支給額を7%減額し、08年度までに最高35%まで段階的に減額することを決めた。
判決は、
<1>規則改定時の年金基金が収入超過だった
<2>同大の財政状況が格付け会社から高く評価されていた――などの理由から、「最大35%もの大幅な減額を実施するほど、やむを得ない事情があったとは言えない」と判断した。
早稲田大学広報室広報課の話「主張が認められず遺憾。判決内容を十分吟味し、対応を検討したい」
早大元教職員への企業年金、減額は違法 東京地裁判決 (朝日)
早大を退職した元教職員の企業年金をめぐり、年金基金の赤字を理由に受給額を減らした制度改革の是非が争われた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。端二三彦(はた・ふみひこ)裁判長は、年金資産が先細りになっているとして対策の必要性には理解を示したが、大学全体では財政状況は悪化していないと判断。減額に同意しなかった加入者について当初の受給額を受け取ることができることを確認した。
原告は名誉教授などの元教職員と遺族の計162人。減額前の年金規則は、退職者本人に年80万〜336万円の普通年金を、遺族には年60万円を最低額として本人の半分を支給すると定めていた。年金財政悪化を理由に04年から段階的に減額され、08年には最大で35%が減額される計画だ。
端裁判長は「支給が困難になるなどやむを得ない事情があり、加入者に対する同意取り付けなどの手続きが講じられた場合、受給権者が減額を承諾していると解するのが相当だ」との一般判断を示した。ただ、早大では、大学財政全体としては健全だとして、「やむを得ない事情」にはあたらないと述べた。
早大退職者らの年金減額認めず・東京地裁判決(日経)
早稲田大学を退職した教職員や遺族ら計162人が「私的年金制度の規則を改定して受給額を一方的に減額された」として、改定前の年金額を受け取る権利の確認を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。端二三彦裁判長は「早大は従来通りの支給を続けるのが困難な状況にはなく、改定を承諾していない原告らに減額の効力は及ばない」として、請求通り年104万―336万円の受給権を認めた。
企業や団体の年金減額を認めない司法判断は、一般の企業年金とは仕組みの異なる港湾労働者年金について減額を認めなかった2005年の神戸地裁判決を別にすると、初めてとみられる。
判決によると、早大は20年以上勤務した満60歳以上のOBや遺族を対象に、基礎年金や厚生年金に上乗せする私的年金制度を運営してきたが、04年11月、財政難を理由に規則を改定。支給額を徐々に減らし、5年後には最大35%減とすることを決めた。
早大年金減額は「無効」 元教職員ら160人勝訴(東京)
早稲田大(東京)が元教職員に支給している同大年金を一方的に減額した2004年の規則変更は無効として、安藤哲吉名誉教授ら元教職員やその遺族計約160人が変更前の支給額を得られることの確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、元教職員らの請求を認めた。
端二三彦裁判長は判決理由で「早大年金制度は大学と受給者との契約であり、運営が困難などのやむを得ない事情がない限り、一方的に減額できない」と指摘。
その上で「当時制度は対策が必要だったが、大学の財政自体は著しく悪化しておらず、支払いを続けることが困難な状況だったとまでは認められない。変更は無効」と判断した。
判決によると、早大は20年以上在職した元教職員やその遺族に対し、退職時の給与4カ月分以上を毎年支給してきた。
しかし1998年に支給総額が現役教職員の掛け金総額とその運用益の合計を超えるなどし、将来的に年金資産がゼロになることが予測されたため、04年11月に支給額を数年間で段階的に35%まで減額するように規則を変更した。