第4回総会開催にあたって、会員の皆さんによびかける
2007年1月23日
東京放送年金受給者の会
会長 安田 孝夫
1.はじめに
新年の会報33号でお知らせしたように、われわれのTBS年金裁判は
今月31日(水)、裁判所の「和解案」提示という山場を迎えることになりました。
思えば05年2月の訴訟提起以来2年――この間、同年4月から始まった“4割年金”の苦しい生活に耐え、裁判を進める訴訟代理人(井上、君和田両弁護士)と役員会・原告を信頼して、裁判傍聴などでがんばってくださった会員・選定者の皆さんに、心から敬意を表します。
31日の裁判所による「和解案」提示を受けて、これを受け入れて裁判終結へ向かうか、それとも拒否して一審判決を求めるかというきわめて重要な決定をするための総会を、緊急に2月9日(金)に、別紙「招集状」の要領で開くことになりました。
総会に出席される皆さんの判断材料のひとつとして、これまでの和解交渉の進行状況の概略についてお知らせし、あわせてわれわれの裁判と今回の総会の意義についてお伝えしたいと思います。
今の時点では勿論、裁判所からどういう案が出るか分かりませんが、総会では役員会から、具体的な和解案を踏まえたうえで、どちらの道をとるかという方針を提案し、討論のうえ、会としての態度を決定するつもりです。
2.和解交渉はこう進んだ
裁判は、05年4月の第1回口頭弁論以来12回の弁論を重ねて昨年8月に結審しましたが、裁判長の提案で判決の前に、和解交渉に移行しました。
和解交渉は昨年末までに7回の協議を重ねましたが、原告・被告の主張が対立したまま、裁判長の「和解案」提示という局面を迎えることになったわけです。
和解交渉に臨んだわれわれの基本的立場は、以下の2点に尽きます。
(1)安易な妥協はしない
事の発端から今日に至るまで、非は会社にある。裁判を通じて明らかにしてきた権利侵害の事実を無にするような、安易な妥協はしない。
(2)早期解決を目指す
しかし同時に、われわれ 高齢者にとって、紛争の早期解決は決定的に重要である。経済的な不利益をできる限りなくす方向での早期解決には、積極的に対応する。
この基本的立場に基づいて私たちが最初に出した要求は、@従前と同じ年金制度創設と、算定基準を変えた新一時金清算の、どちらかの選択制 A解決金の支払い B会社の「遺憾の意」の表明の3項目でした。
交渉の過程で会社は、「分配金(一時金)の8%(受給者平均で約144万円)上積み」という提案をしてきました。
交渉を前進させるためにわれわれは、前掲の要求@を一時的に棚上げして、「分配金上積み」という会社路線にあえて乗り、「分配金上積みなら、税金の会社負担分込みで50%アップ」と反論して、今日に至っています。
なお会社は、昨年末の交渉で裁判長に対し「裁判所の和解案には、分配金の上積みだけでなく、<解決金>と<遺憾の意の表明>に関する条項を盛り込んで欲しい。会社はこれを十分受け入れるつもりがある」と、注目すべき申し入れをしています。
以上が、これまでの7回におよぶ和解交渉のあらましです。なお和解交渉の経緯については、別紙に簡潔にまとめてありますので、是非お読みください。
3.私たちの裁判がおかれている状況
次に、TBS年金訴訟に関する基本的な立脚点について述べます。これについては、これまでにも折りにふれ会報でお知らせしてきましたが、この時点であらためて判断の重要なポイントになると思われるからです。
(1)選定当事者方式
訴訟提起にあたり私たちは、なるべく多くの受給者が裁判に参加できるように「選定当事者方式」という民事訴訟法30条に則った方式を選びました。この方式は「共同の利益をもった権利関係者(受給者の会・会員)が<選定者>となり、原告の中から一人または数人(本件では安田会長と横山副会長)を<選定当事者>に選定し、訴訟を進める全権を与える」というもので、選定者(会員の皆さん)は、選定当事者の決定に自動的に従うのが建前の制度です。
ですから法的には、原告の意思決定がすべてで、総会で決定する必要はないのですが、今後の裁判をどうするかという重要な問題は、多数の意思が反映される民主的な方法で決定すべきだと考え、総会を開くことを決めました。
(2)給付訴訟と確認訴訟
われわれの裁判は、<お金をいくら払え>という「給付訴訟」ではなく、<従来どおりの年金を受け取る地位の確認>を求める「確認訴訟」のかたちで行われています。弁護士の説明によれば、その主な理由は以下の2点です。
@給付訴訟は、すでに発生した損害の回復を求めるもので、本件のような、これから発生するであろう損害に対する請求(将来請求)は裁判所に認められない。
A給付訴訟は、請求金額を特定する必要があるが、年金の終身部分の金額は、何歳まで生きるか分からないので特定できない。
したがって、われわれが勝訴しても<判決即年金支払開始>に結びつくわけではなく、判決に基づいて給付訴訟を繰り返すか、社会的な圧力でTBSに年金復活を認めさせる運動が必要となるでしょう。
(3)控訴・上告と長期化
東京地裁の一審で敗訴すれば、会社は必ず高裁に控訴するとみられます。「最高裁まで争う」と広言する幹部もいると聞きます。
裁判を長引かせれば長引かせるほど4割年金の“兵糧攻め”が効いてくる、老齢の受給者の数も自然に減って行くという、冷酷な計算が露骨に見えています。
昨年8月までに開かれた12回の口頭弁論で、私たち原告側は、会社の理不尽な年金制度廃止の不当性を徹底的に追及しました。
今回の和解交渉の冒頭で、裁判長が会社側に「会社の一存で年金制度をやめられるというスタートが、今回の紛争の発端だ。それなりの理由がないとやめられないのではないか」と発言しました(別紙「和解交渉の経緯」参照)。
裁判の争点はもちろん「発端」だけではありませんが、私たちの主張はかなりの程度、裁判所にも受け止められていると感じました。
しかし同時に、平均年齢が68歳を越えた老齢の「受給者の会」にとって、裁判を取りまく現実的な状況や環境は、上記(2)(3)で述べたように、率直に言って決して生易しいものではありません。
態度決定にあたり、このことも十分考えておく必要があることは、分かっていただけたと思います。
4.残された人生を自分で選びとる
さて一週間後、今月31日(水)の午前9時半に、裁判長の「和解案」が示されます。分配金の積み上げだけでなく、解決金、会社の「遺憾の意」表明についても盛り込まれた提案となるはずです。和解案の内容は、年金の会のホームページに掲載し、会報34号は2月2日(金)発送の予定です。
役員会は、閉廷後直ちに原告を含む拡大役員会を開き、総会に提案する方針を討論することになります。
どのような方針を提案するかはすべて、和解案の内容をどう評価するか、私たちのおかれた状況をどう判断するかにかかっていることは、言うまでもないでしょう。
「年金受給者の会」は、350通りの違った立場、違った環境の人たちの集まりです。そんな私たちが、会社のやり方は許せないという一点で志を同じくし、ここまでがんばってきました。年金を4割に削られながら、そんな一人一人の力を集めて裁判と和解を2年近くも続け、和解案提示という正念場を迎えました。
ここから先は、われわれがこれからの残された人生を、どう選びとるかという領域の問題です。「受給者の会」のためでも、ましてや会社のためでもない、幸せな老後を生きるにはどの道が最良かだけを考えて、裁判所の提案をのむか、判決を求めて裁判を続けるかを、自分のために決めてください。
総会に出席し、討論を聴き、ご自分の考えを確かめたうえで採決に参加してください。2月9日(金)、総会会場でお待ちしています。
<追記>*もし原告側が和解案を受け入れても、会社が拒否すれば「和解不調」で、判決言い渡しへ移行します。その逆ももちろんあり得ます。双方が拒否の場合も、判決へ移行します。
*
和解案提示前の、裁判長と原告・被告代理人(弁護士)との詰めの協議が長引き、和解案提示が遅れるのもあり得ないことではありません。その場合は、総会日程などの変更も起こる場合があります。
東京放送年金受給者の会 第4回総会 招集のお知らせ
2007年1月23日
東京放送年金受給者の会
会長 安田 孝夫
会員各位
TBS年金訴訟は、昨年8月の結審と同時に裁判所の提案で「和解」に移行し、昨年末まで7回の交渉を重ねてまいりましたが、原告(年金受給者の会)・被告(TBS)双方の主張が対立したまま、1月31日(水)午前9時30分から開かれる第8回交渉の席で、裁判長が
原告と被告に「和解案」を示す運びとなりました。
原告・被告とも、裁判長が指定した日時に、和解案に対する承諾・拒否いずれかの態度表明をしなくてはなりません。
年金裁判の今後を決めるこの重要な時期にあたり、「和解案を受け入れて裁判終結へ向かうか、それとも拒否して一審判決を求めるか」を決める総会を、下記の要領で開きます。
同封のはがきをご返送のうえ、ぜひご参加ください。
(「和解案」の内容は、「受給者の会」のホームページ(tbsob.com)で速報します。また、
解説などを掲載した「会報」は、2月2日(金)に発送の予定です。会場にご持参ください)
記
日 時 2007年2月9日(金) 午後1時 受付開始
午後1時30分 開会
会 場 全国教育会館・エデュカス東京 (これまでの総会と同じ会場)
千代田区二番町12−1 電話(03)5210−3511
(東京メトロ・有楽町線「麹町」下車DE番出口・地図参照)
議 題 「和解案」を受諾するか、拒否するかについて討論・採決
その他
以上